人気ブログランキング | 話題のタグを見る

知的財産をマネジメントする

saikilab.exblog.jp

知的財産マネジメントを研究しています

ブログトップ

構成要素が少なくなりながら?

発明が、特許になる条件の1つとして、発明の進歩性があることは、ご存知ですね。
発明を構成している要素(発明の構成要件、発明特定事項などといいます)が多くなれば、その発明の進歩性が高くなり、特許されやすくなります。
発明と従来技術との相違点である、要素について、それぞれの要素が、当業者(この意味は、ご存知でしょう)にとって、思いつくのが簡単であるかどうか、が進歩性の判断の内容になります。
相違している要素の数が多くなると、容易に思いつくといえる説明がしにくくなるからです。
発明の構成要素の数の多さは、その発明と従来技術との相違要素の数の多さと比例していきます。
このように、発明の構成要素の数が多くなれば、進歩性は高くなりますが、発明の範囲は、より狭くなります。
発明の範囲が狭くなることは、特許になったときの権利の範囲が狭くなることにつながります。
発明として、もっていなければならない要素の数が増えるからです。
以上、単純化した一般論として考えてください。
基本の発明である最初の発明は、最少必要条件で達成されます。
その最初の発明を改良する発明は、最初の発明での条件に、さらに別の条件を徐々に加えて、発明全体としての効果が大きくなるように改良されていきます。
最初の発明も、改良された発明も特許になりますが、最初の発明は範囲が広く、改良された発明程、その範囲は狭くなっていきます。
基本の発明と改良発明の関係です。
ここで、iPS細胞の発明に着目してみると、iPS細胞を作成するために必要な遺伝子などの作成方法の要素を少なくすることが改良につながっています。
その改良された発明が特許になるはずです。
少し、ちがいますね。
この続きは、改めて。
by saikilab | 2008-10-14 07:27 | ライフサイエンス知財

by IPLAB