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審査基準は変わるもの

特許の審査の考え方を説明している「審査基準」は、出願人や代理人にとって、大変役立つ手引きです。
審査がどのような考え方にしたがって行われるのか、それを根拠や事例とともに示しているからです。
ただし、「審査基準」は、新しい制度が導入されたり、法律改正が行われたりするときに、まだ、その制度や改正法が実施される前に作成されます。
そこで、それらに対して行われた実際の出願を見て、それにどのように対応するか検討して作成されるものではありません。
出願をするときの参考になるよう、あらかじめどういうことがあるかを想定し、想定した事例に対しての考え方を示しています。
もちろん、事前に判決など情報収集が十分に行われた結果ですが、実際の出願は想定されたものとは異なることもあります。
さらに、現在のように技術の進歩が著しく、社会環境の変化も早い時代にあっては、その考え方が長期にわたって持続できないことも考えられます。
「審査基準」にこのように記載されているから、このように説明されているから、というだけでなく、どのような考え方をすれば、適切な権利が付与されるか、を常に考えていたいと思います。
特許は、独占権をもつ特許権者と、その他とのバランスが適切でないと有効に働かない。
いつもバランスが考慮されるといいのです。
そのためには、「審査基準」も変化するものであって欲しいですね。
by saikilab | 2008-08-05 22:49 | 知的財産マネジメント

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