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「金のなる木」を守るもの

iPS細胞は、骨、筋肉、神経、各種臓器などへと身体のいろいろな部分を構成する細胞へと分裂・増殖できる細胞になれる、万能細胞の1種です。
「皮膚」である細胞は、皮膚としての専用の役割をもっています。
それを、身体のいろいろな部分の様々な細胞になれる状態まで、初期化して「万能細胞」(iPS細胞)にできれば、それを骨、筋肉、神経など、又はそのもとになる細胞に成長させることができます。
その細胞を成長させ、成長させた細胞は、その状態で、けがや病気が原因で喪失した身体の部分にするために移植することができます。再生医療です。
再生医療は、まだ基礎的研究の段階で、実用化までには相当時間がかかります。
iPS細胞を、難病の原因解明、新しい薬の開発に役立てることは、より早い実用化が期待されています。
iPS細胞の実用化は、医療分野への貢献が大きな目的です。
しかしながら、ビジネス面からみると、iPS細胞の実用化により、、再生医療への応用や新薬開発における「金のなる木」として、医療ビジネスを大きく変えるものです。
研究の競争も激しく、米国などによる、その研究成果の特許での囲い込みが予想されます。
米国などに特許取得された場合、iPS細胞の実用化にあたっては、日本の企業は特許使用料を支払わなければならず、その特許の件数は多く、その使用料も高額なため、料金は莫大なものになってしまいます。
したがって、実用化に向けては、本格的な研究開発の開始時期から、しっかり特許として保護しておかなければならないわけです。
日本政府主導で、特許戦略強化が進められるとのこと、「金のなる木」を守るのは、特許であり、そのための特許取得も含め、特許戦略はきわめて重要です。
by saikilab | 2008-08-13 07:29 | ライフサイエンス知財

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