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選択発明がある

発明は技術的思想として表現されるため、その思想として表現される記載と、具体例として表現される記載とで、上位概念、下位概念という関係が生じます。
特許出願の書面では、特許請求の範囲に上位概念が、明細書にはその具体例である下位概念が記載されます。明細書には、もちろん発明の説明をしますので、特許請求の範囲に記載されている上位概念の記載もされます。
上位概念は、その下位概念を包含しますが、この上位概念記載の発明の新規性は、下位概念の発明によって、どのように判断されるでしょうか。
出願書面が公開された出願公開公報では、これらの上位概念や、下位概念、その中間の広さの中位概念の記載がされています。
これらが公知技術となるわけです。
化学分野では、次のように判断されます。
出願がされた上位概念発明は、公知である出願公開公報に記載されている下位概念発明によって、新規性がない。
出願がされた下位概念発明は、公知である出願公開公報に記載されている上位概念発明によって新規性なしとはされない。
ただし、公知の出願公開公報には、上位概念発明を具体化したより下位の概念、具体例、実施例が記載されていますので、それらとの対比もされます。
出願がされた下位概念発明が、そのような具体例として記載されていれば、その記載によって新規性なしとなります。
出願がされた下位概念発明であって、次のような場合に対して選択発明が成立します。
公知の出願公開公報には、新規性なしとなるような具体的記載がない、上位概念で記載されている発明と対比して、効果が非常に優れている場合です。
そのような下位概念発明は、新規性あり、さらに進歩性がある、すなわち、特許性があると判断されます。
下位概念は、公知の上位概念に包含されるわけですが、別に発明として特許を受けることができます。
これが、上位概念発明から、特定の下位概念を選択した、選択発明です。
複雑ですね。
他の分野では、こういうことはなく、上位下位に関係なく、別の発明です。
互いに新規性があるとかないとかの判断が異なるのは、化学分野特有です。上位下位が明確であるからでしょう。
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by saikilab | 2008-07-24 23:13 | ライフサイエンス知財