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知的財産をマネジメントする

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不確実性回避傾向からすると

製品やサービスを評価するときに、「保有効果」と呼ばれる心理的なバイアスの存在があります。
これは、製品やサービスを評価するにあたって、既に自分が所有しているものを所有していないにものと比較して高く評価する傾向があるという効果です。人々には、現状維持を望む気持ちがあって、新しいことをはじめようとするときに多くの抵抗があることは、よく経験するところです。
もし、ある特許事務所に業務を依頼している場合、その特許事務所から別の特許事務所に依頼を変更することについても、同じように考えられませんか。
最初に特許事務所を選定する場合、専門性が高いこと、長い経験があること、多くの弁理士が所属していることなど、安心して依頼できるという観点から選定がされると考えられます。依頼した案件は、長期間が経過しないと結果が表れませんし、その結果の評価も難しい。
たとえ、出願した案件が特許にならなくても、担当した審査官の判断が厳しすぎたという可能性も多い。
案件での書面の記載内容が適切でなかったのか、対応が適切でなかったのかという評価はしづらいですね。
そのような状況で、特許事務所は、あまり変更することがないことになります。最初の選定が大きく影響するということです。
特に、日本人は、不確実性回避の傾向が大きい(Hofstade)。ますます、変更は考えにくくなります。
by saikilab | 2009-03-02 06:18 | 知的財産マネジメント

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